『ヴィーナスとアドニス』その2・・・あらすじ
2008年 10月 31日
原典は、皆様ご存知の古代ギリシャ神話です。
どんなお話なのか、予備知識としてご紹介しましょう。
「ヴィーナス」はいわずと知れた美の女神。
「アドニス」は、フェニキアの王キニュラスとその王女のミュラの息子で、
美少年の代名詞でもある。
王女ミュラはとても美しく、
一族の誰かが「ミュラは女神ヴィーナスよりも美しい」と言ってしまう。
これを聞いたヴィーナスは激怒し、
ミュラが実の父であるキニュラスに恋するように仕向けた。
許されない恋に苦しむミュラを乳母はこっそり手助けをする。
そうして二人は祭りの夜に一夜を共にするが、事実を知った父は、娘を殺そうとした。
しかし、彼女は逃げのび、アラビアまで逃げていった。
彼女を哀れに思った神々は、ミュラをミルラ(没薬)の木に変え、
やがてその木に猪がぶつかり、木は裂け、その中からアドニスが生まれた。
その赤ん坊のアドニスの美しさに、ヴィーナスが恋をします。
やがて彼女は赤ん坊のアドニスを箱の中に入れると、
冥府の女王のペルセポネの所に預けた。
彼女はペルセポネに、けっして箱の中を見るなと注意しておいた。
しかし、ペルセポネは好奇心に負け、箱を開けてしまい、アドニスに恋してしまう。
こうして、アドニスはしばらくペルセポネが養育することになった。
アドニスが少年に成長し、ヴィーナスが迎えにやって来るが、
その頃にはペルセポネはアドニスを渡したくなくなっていた。
2人の女神は争いになり、ついに天界の裁判所に審判を委ねることにした。
その結果、1年の3分の1はアドニスはヴィーナスと過ごし、3分の1はペルセポネと、
残りの3分の1はアドニス自身の自由にさせるということとなった。
しかし、アドニスは自分の自由になる期間もヴィーナスと共に過ごすことを望んだ。
アドニスは狩りが好きで、毎日狩りに熱中していた。
ヴィーナスは狩りは危険だから止めるようにといつも言っていたが、
アドニスはこれを聞き入れなかった。
アドニスが自分よりもヴィーナスを選んだことが気に入らなかったペルセポネは、
ヴィーナスの恋人である軍神アレスに、
「あなたの恋人は、あなたを差し置いて、たかが人間に夢中になっている」と告げ口をした。
これに腹を立てたアレスは、アドニスが狩りをしている最中、猪に化けて彼を殺してしまった。
ヴィーナスはアドニスの死を大変に悲しみ、流した涙からはバラが咲いた。
やがてアドニスの流した血から、アネモネの花が咲いた。
音楽の中では、このお話はほとんど出てきません。
では、音楽ではどうなるかというと・・・
最初にキューピッドが登場し、男女の羊飼い達に恋をさせてオペラを始めます。
羊飼い達ののどかな合唱が入ります。
1幕はアドニスとヴィーナスの愛の場面。
ヴィーナスは離れることを渋るアドニスを狩に行かせます。
狩人たちの元気な合唱の中で、猪との狩りの様子が書かれています。
2幕はキューピッドの学校。
ヴィーナスとともにキューピッドは小さなキューピッドたちに恋をさせる技を教えます。
美の女神達が加わり、華やかな場面となります。
3幕は瀕死の傷を負ったアドニスとヴィーナスの悲しみに満ちた対話が交わされ、幕。
ヴィーナスの悲痛な嘆きが胸を打ちます。
明日は、『ディドとエネアス』についても投稿しますね☆
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びわ湖ホール声楽アンサンブル・東京公演
『2つの愛のかたち』
11月24日(月・祝)14時開演
勝どき・第一生命ホール
一般4000円 青少年(25歳未満)2000円
どんなお話なのか、予備知識としてご紹介しましょう。
「ヴィーナス」はいわずと知れた美の女神。
「アドニス」は、フェニキアの王キニュラスとその王女のミュラの息子で、
美少年の代名詞でもある。
王女ミュラはとても美しく、
一族の誰かが「ミュラは女神ヴィーナスよりも美しい」と言ってしまう。
これを聞いたヴィーナスは激怒し、
ミュラが実の父であるキニュラスに恋するように仕向けた。
許されない恋に苦しむミュラを乳母はこっそり手助けをする。
そうして二人は祭りの夜に一夜を共にするが、事実を知った父は、娘を殺そうとした。
しかし、彼女は逃げのび、アラビアまで逃げていった。
彼女を哀れに思った神々は、ミュラをミルラ(没薬)の木に変え、
やがてその木に猪がぶつかり、木は裂け、その中からアドニスが生まれた。
その赤ん坊のアドニスの美しさに、ヴィーナスが恋をします。
やがて彼女は赤ん坊のアドニスを箱の中に入れると、
冥府の女王のペルセポネの所に預けた。
彼女はペルセポネに、けっして箱の中を見るなと注意しておいた。
しかし、ペルセポネは好奇心に負け、箱を開けてしまい、アドニスに恋してしまう。
こうして、アドニスはしばらくペルセポネが養育することになった。
アドニスが少年に成長し、ヴィーナスが迎えにやって来るが、
その頃にはペルセポネはアドニスを渡したくなくなっていた。
2人の女神は争いになり、ついに天界の裁判所に審判を委ねることにした。
その結果、1年の3分の1はアドニスはヴィーナスと過ごし、3分の1はペルセポネと、
残りの3分の1はアドニス自身の自由にさせるということとなった。
しかし、アドニスは自分の自由になる期間もヴィーナスと共に過ごすことを望んだ。
アドニスは狩りが好きで、毎日狩りに熱中していた。
ヴィーナスは狩りは危険だから止めるようにといつも言っていたが、
アドニスはこれを聞き入れなかった。
アドニスが自分よりもヴィーナスを選んだことが気に入らなかったペルセポネは、
ヴィーナスの恋人である軍神アレスに、
「あなたの恋人は、あなたを差し置いて、たかが人間に夢中になっている」と告げ口をした。
これに腹を立てたアレスは、アドニスが狩りをしている最中、猪に化けて彼を殺してしまった。
ヴィーナスはアドニスの死を大変に悲しみ、流した涙からはバラが咲いた。
やがてアドニスの流した血から、アネモネの花が咲いた。
音楽の中では、このお話はほとんど出てきません。
では、音楽ではどうなるかというと・・・
最初にキューピッドが登場し、男女の羊飼い達に恋をさせてオペラを始めます。
羊飼い達ののどかな合唱が入ります。
1幕はアドニスとヴィーナスの愛の場面。
ヴィーナスは離れることを渋るアドニスを狩に行かせます。
狩人たちの元気な合唱の中で、猪との狩りの様子が書かれています。
2幕はキューピッドの学校。
ヴィーナスとともにキューピッドは小さなキューピッドたちに恋をさせる技を教えます。
美の女神達が加わり、華やかな場面となります。
3幕は瀕死の傷を負ったアドニスとヴィーナスの悲しみに満ちた対話が交わされ、幕。
ヴィーナスの悲痛な嘆きが胸を打ちます。
明日は、『ディドとエネアス』についても投稿しますね☆
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びわ湖ホール声楽アンサンブル・東京公演
『2つの愛のかたち』
11月24日(月・祝)14時開演
勝どき・第一生命ホール
一般4000円 青少年(25歳未満)2000円
by musicakurihara | 2008-10-31 23:38 | 曲目解説